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「私の学習歴」第8回

これまでの「私の学習歴」シリーズに引き続き、今回は山谷の学習歴をお話ししたいと思います。

海外ボランティアの経験はきっとまた話す機会があると思うので、今回は大学進学について私の経験を書きました。

この大学4年間を支えてくれた家族や友人の存在は、私の誇りです。

 

◆◆◆私の学習歴~大学進学で学んだこと~◆◆◆

実は、私は夜間大学を卒業しています。ここに入学した理由は、恥ずかしながら家庭の金銭事情によるものでした。

母子家庭で育ち、姉妹もいるためにこれはどうしようもない現実でした。

 

高校3年時、進路希望届には都内にある大学の夜間部を1つだけ書きました。学費面を考慮のうえで、やりたいことができそうな場所を自分なりに選んだつもりでした。そして受験を決める際、母から以下のような約束が告げられました。

「仕送りは一切ないということ=家賃、生活費、教科書代など身の回りのことは全て自分で賄うこと」

正直、厳しいと思いました。当時17,8歳の私にとっては、そんな生活をやりくりする自信なんてありませんでした。周りはそんなことなんか問題にならずに進学先を選べるのにうちはなんで、とどこにもぶつけようのない大きな黒いもやをお腹の底に抱えることになりました。

とはいえどうにもならないので、自分でどうにかしました。

学費免除制度のある受験と貸与型の奨学金を掛け合わせ、やっとのことで入学する準備が整いました。家族全員が私の入学決定を心から祝ってくれました。

しかし、年頃の私はどうしても「夜間」という世間体をなかなか拭えませんでした。

 

入学式の日、わざわざ母は田舎から私の晴れ姿を見に来てくれました。そんな日に、私は未熟な心で不満をもらしました。

「やっぱり夜間ってやだな。うちにもっとお金があればよかったのに・・・」と。

うららかな春の晴天の下、笑顔あふれる式会場で、この二人の間だけに最悪な空気感が生まれました。

私はこの言葉をとても後悔しています。自分で選択したことなのに、まだ始まってすらいないのに、身の回りの環境や事情のせいにして後ろ向きにしか考えられなかったこと。

 

あの日から月日が経った今、この四年間は私の財産になりました。

もしもここに入学していなければ絶対にできなかったであろう貴重な経験の数々が、私の大学生活を少しずつ磨いていきました。夜間学生という少し特殊なルートのおかげで本当にたくさんの幅広い出会いを持つことができましたし、実は昼間部の人との関わりもたくさんあって、様々な意味で本当に想定外の大学生活でした。

”普通の大学生”をしていなくてよかった!なんて今では思っています。

 

後日談として。実は母は、もしもの時のために私の学費をこっそり貯金してくれていました。いつも、いかに家族が自分の味方となり応援してくれていたのかを知りました。このお金を使うことはなく、本当に仕送りは4年間0円でした。しかし、こんなにコスパのいい4年間を過ごせたなんて、幸せなことです。

バイト三昧だったこと、夜間というレッテルに卑下して苦しんだ時期もありましたが、そんな感情もすべて含めて私にとっては忘れたくない日々です。この経験を以って、人生に責任をもって生きること、そしてそれを自分で選択して進むことの大切さを学びました。

人間万事塞翁が馬と言いますが、今後も生きる上であらゆる視点をたくさん持って、これからも私の「学習歴」を書き加えていきたいです。

以上、山谷の学習歴でした。