こんにちは、生井です。
2月12日に新中学2年生向けに総合学習を行いました。
テーマは「AI時代の学習」です。
チャットGPTなど中学生にも身近に感じることが出来るようなAIが増えてきており、活用する人も出てきています。便利であるがゆえに、学習に活用するという人もいるのではないかと思います。
しかし、便利であるがゆえに、使い方次第では人間にとってデメリットになることもあるかと思います。特に中学生は学習を通して思考力や表現力等を伸ばす大切な期間ですので、改めて学習する目的や学習している内容がなぜ必要なのかを考えてもらう機会を作るべく、今回の総合学習を実施しました。
授業の前半はグループを作り、コンセンサスゲームを行いました。コンセンサスゲームとはグループで意見を出し合い、合意形成することを目的としたシミュレーションゲームです。しかし、今回は話し合いの途中からチャットGPTを使うことをルールにしてゲームを進めました。
最初はどのグループも正解にたどり着こうと一生懸命話し合いをしていましたが、チャットGPTを使っていい時間になると話し合いが止まってしまったグループもありました。
ゲームの振り返りでは、チャットGPTはすぐに答えを出してくれる反面、思考や表現する機会が失われてしまうといった考察が出てきました。AIは社会課題を解決することや、何かの目的を達成するために使われる「手段」ですが、その「手段」が人間にとって毒になってしまうことがあることに気づいてもらえたかなと思います。
すぐに答えを出してくれるツールは便利で楽なものですが、試行錯誤を重ねて学習すること、それによって得られる達成感は自分で思考・表現することによってしか得られないものです。日頃学習していることは時に生徒たちにとって大変なものですが、その中から少しでも多く自分にとってプラスになるものを得てほしいと思っています。
後半は「新商品開発ゲーム」を行いました。グループごとにシンガポール内にあるハンバーガー店の店長になってもらい、その店独自のハンバーガーを開発してもらうゲームです。グループによって店を出す場所が異なるため、その土地にあったハンバーガーを開発してもらいました。
商品名やキャッチコピー、商品の材料に関する話し合いが進む中、このゲームでもチャットGPTを使ってよい時間を作りました。キャッチコピーを決めるためにチャットGPTを使ったグループ、自分たちのターゲットにささる商品を作るためにチャットGPTに質問したグループなど様々な使い方が見られました。
実際に飲食店においても新商品の開発のためにチャットGPTを利用するケースがあるそうです。しかし、商品開発の全てをチャットGPTには任せられません。その店にあった商品の方向性を決めるための分析・思考力やチャットGPTに質問するための表現力次第でチャットGPTが出す答えは変わります。
私もチャットGPTにチーズバーガーのキャッチコピーを聞いてみました。
「チーズバーガーのキャッチコピーを作ってください」
「チーズバーガーのキャッチコピーを作ってください。お年寄りの人にささる、ノスタルジックなキャッチコピーが良いです」
少し言葉を付け加えるだけで全く違う答えになり、使い手の言葉に左右されることを実感しました。
授業の最後には商品の画像作成を行いました。
検索の仕方によって結果が変わる事を学習した後であったため、それぞれチャットGPTに聞くことを真剣に考え、それぞれの商品にあった画像が出来たと思います。
普段の学習が役に立っていることを実感してくれていたら嬉しいです。
生井