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熊本の被災地にて

2026年8月15日、16日の2日間、熊本を訪れてきました。

熊本では、2016年の「平成28年熊本地震」、2020年の「令和2年7月豪雨」をはじめ、これまで何度も大きな自然災害が起きてきました。

その傷跡がまだ完全には癒えていない中、今年7月28日、再び大きな地震が熊本を襲いました。

活動層の真上にあった町の様子

これまで何度も災害ボランティアとして現地に入り、KOMABAでも毎年、子どもたちに自然災害や支援についての授業をしてくださっている「ちょんまげ隊」のツンさんは、今回も地震直後から被災地に入り、支援活動を続けていました。

2016年の熊本地震、2020年の豪雨災害の際にも、KOMABAではツンさんの活動を通じて、シンガポールやジャカルタの塾生の思いや支援を被災地へ届けてきました。

また、熊本県人吉市の高野寺住職・味岡さん、球磨村の神照寺住職・岩崎さんも、すぐに支援活動を始められていました。

味岡さん・岩崎さんご自身も2020年の豪雨災害で被災された方です。当時の支援活動をきっかけにご縁が生まれ、それ以来、交流を続けさせていただいています。

そんな皆さんが連日被災地で活動されている様子をSNSで見ているうちに、どうしてもじっとしていられなくなりました。

「何かできることはないだろうか」
同時に
「この方々に熊本で会いたい」

急遽熊本へ向かうことにしました。

ちょんまげ隊「ツンさん」と

ー子どもたちに、少しでも楽しい夏の思い出をー

 

私が熊本を訪れた2日間は、ちょうどツンさんや味岡さんたちが、被災した地域の子どもたちを笑顔にするためのイベントを開催するタイミングでした。

15日は、人吉市で行われた花火大会。

被災した八代市や宇城市などから約40名の子どもたちを招待し、味岡さんの高野寺を拠点に、みんなで花火大会を楽しみました。

そして子どもたちには、なんと「マクドナルド食べ放題」のプレゼントも。

この活動には、KOMABAで普段から皆さまにご協力いただいている支援金の一部を使わせていただきました。

日頃からご協力くださっている皆さま、本当にありがとうございます。

この日の活動は、ニュースでも紹介されました。

https://youtu.be/DI24hKrwPAo?si=eAengiHNWmCfW-RI

翌16日は宇城市へ。

サッカー元日本代表の巻誠一郎さんが発起人となり、被災した地域の子どもたちのための夏祭りが行われました。

現場では、ツンさんが文字通り声を枯らしながら、子どもたちを盛り上げ続けました。

私もこの日は「かき氷屋さん」になり、20種類ほどの味のかき氷を子どもたちにふるまいました。

そして途中からは、子どもたちに水風船をぶつけられる「鬼役」に。

容赦なく、きゃっきゃと大声を上げながら水風船を投げつけてくる子どもたち。

びしょ濡れになりながら、子どもたちのたくさんの笑顔を見ることができました。

この日の様子もNHKで紹介されています。

※NHKのサイトのため、海外からの視聴にはVPN等が必要な場合があります

https://news.web.nhk/newsweb/na/nd-20260816de44395

子どもたちとリフティング勝負をする巻さん

スイカ割りの実況で子どもたちを盛り立てる「ツンさん」

かき氷屋さんとしてふるまう石川。祭り開催中、ほぼ切れ目なしでかき氷の注文がありました。

水風船でびしょぬれでしたが、当日の気温は35度越え。水の冷たさも子どもたちの笑顔も両方が心地よかったです。

ー「支える人たち」も、疲れているー

 

今回、私はわずか2日間しか熊本にいませんでした。

ですから、当然のことながら、私が「被災地」を語ることなどできません。

ただ、この2日間で強く感じたことがあります。

それは、

被災された方々はもちろん、支援を続けている人たちも、とても疲れている。

ということでした。

連日の猛暑の中で動き続ければ、当然体力は消耗します。

しかし、それだけではありません。

人のために動き続けることで、少しずつ心もすり減っていくのだと思います。

ツンさんは、ご自身の実家がある千葉も豪雨災害に見舞われている中、休むことなく熊本での支援を続けていました。

今回の滞在中、ずっと行動を共にさせてもらった味岡さんは、2020年の豪雨災害でご自身も被災し、今も仮設住宅で生活されています。

さらに、お寺の住職にとって一年でも特に忙しいお盆の時期。

おつとめされながら、その合間の時間をほとんど被災地支援に使っていました。

 

「心を休める」

 

今回の滞在を終え、私が鹿児島空港からいったん東京へ戻るとき。

味岡さんのご一家全員が、わざわざ空港まで送ってくださることになりました。

あまりにも申し訳なく、

「本当に大丈夫です。お忙しいでしょうから、どうかここ人吉で」

とお断りしようとしました。

すると、大学生の息子の孝泉さんが、こんなことを言ってくれました。

「石川先生、どうかお見送りをさせてください。

そういうことでもしないと、休むことができないんです。

地震があってから毎日休まず被災地に入っているので、体も心も疲れてしまっているんです。

だから石川先生を見送る、という口実で鹿児島空港まで行って、近くのレストランで一緒にご飯を食べるのが楽しみなんです」

笑顔でそう話してくれました。

その言葉を聞いて、私は何も言えなくなりました。

涙が出そうになりました。

思い起こすと2011年。

宮城に住んでいる私の両親を、妻の実家のある滋賀県に連れ出したとき、両親は震災以来の安堵感に浸ることができたと言っていました。

被災地にいると「自分が無事かそうではないか」ということだけではなく、常に被災した方々のことを考え続け、心が休まるときがないと、その時にそう洩らしたことを思い出しました。

きっと味岡さんご一家もそのような状態から、ずっと抜け出せずにいるのだと思い、胸が痛くなりました。

味岡さん親子と高野寺にて

ー被災していても、誰かのためにー

 

8月21日、岩崎さんがFacebookに、自治体職員の方々についてこのように書かれていました。

「今日、自治体の職員さんの事情を知る機会がありました。やはり、職員さんらもそれぞれに被災されておられます。

なのに被災された住民さんらの対応(諸手続き)ために、通常業務のために、ある人は役場に寝泊まりしながら、ある人は断水状態、被災したままの自宅で寝起きをし、懸命に役割を全うされておられます。※食事は、主にパンと缶詰とカップ麺などが多いそうです。

この人たちが倒れたらどうなるんだろう。。
ふと、そんなことが頭をよぎります。
奥さんと子どもたちは、地元を離れて避難(昔の表現で疎開)しておられるケースが多いそうで夏休みほとんど子ども達と会ってない、遊べてないそうです。
旦那さんは、被災した家の中で、寝るスペースだけを確保して、仕事に従事されておられるそうです。
『(被災した)自分の家を片付ける時間も気力も無い。。。』
どうぞどうか行政職員さんらに丁寧な言葉、優しい言葉、できることなら労いと感謝の言葉を伝えて欲しいと切に願います。」

 

と書かれていました。

 

この言葉の重さ、少しだけ感じることができた気がしています。

 

ー支える人を、支えるー

 

災害が起きると、私たちは「被災した人を助けなければ」と考えます。

もちろん、それはとても大切なことです。

でも今回、もう一つ大切なことを教えてもらいました。

 

支援を続けている人たちを、支えること。

 

人のために動き続けている人が倒れてしまったら、その先の支援も続かなくなってしまいます。

ツンさん。

味岡さん。

岩崎さん。

そしてたくさんのボランティアの方々や自治体職員の方々。

被災しながら、それでも誰かのために動き続けている人たちがいます。

KOMABAでは、そうした皆さんの活動を支えるためのチャリティー活動を行います。

私たちにできることは、

被災地の方々毎日直面していることと比べたら、

ボランティアの方々が日々直面していることに比べたら、

本当に小さなことです。

 

でも、小さな力でも、集まれば誰かを支える力になると、私はこの夏の経験で信じたいです。

KOMABAの子どもたちにも、そんなことを伝えていきたいです。

その際には、ぜひ皆さまのお力をお貸しいただけたら嬉しいです。

 

そして、

今回、突然熊本へ向かった私を温かく迎えてくださったツンさん、味岡さんファミリー。

本当にありがとうございました。

また必ず会いに行きます。

 

石川