ー「支える人たち」も、疲れているー
今回、私はわずか2日間しか熊本にいませんでした。
ですから、当然のことながら、私が「被災地」を語ることなどできません。
ただ、この2日間で強く感じたことがあります。
それは、
被災された方々はもちろん、支援を続けている人たちも、とても疲れている。
ということでした。
連日の猛暑の中で動き続ければ、当然体力は消耗します。
しかし、それだけではありません。
人のために動き続けることで、少しずつ心もすり減っていくのだと思います。
ツンさんは、ご自身の実家がある千葉も豪雨災害に見舞われている中、休むことなく熊本での支援を続けていました。
今回の滞在中、ずっと行動を共にさせてもらった味岡さんは、2020年の豪雨災害でご自身も被災し、今も仮設住宅で生活されています。
さらに、お寺の住職にとって一年でも特に忙しいお盆の時期。
おつとめされながら、その合間の時間をほとんど被災地支援に使っていました。
「心を休める」
今回の滞在を終え、私が鹿児島空港からいったん東京へ戻るとき。
味岡さんのご一家全員が、わざわざ空港まで送ってくださることになりました。
あまりにも申し訳なく、
「本当に大丈夫です。お忙しいでしょうから、どうかここ人吉で」
とお断りしようとしました。
すると、大学生の息子の孝泉さんが、こんなことを言ってくれました。
「石川先生、どうかお見送りをさせてください。
そういうことでもしないと、休むことができないんです。
地震があってから毎日休まず被災地に入っているので、体も心も疲れてしまっているんです。
だから石川先生を見送る、という口実で鹿児島空港まで行って、近くのレストランで一緒にご飯を食べるのが楽しみなんです」
笑顔でそう話してくれました。
その言葉を聞いて、私は何も言えなくなりました。
涙が出そうになりました。
思い起こすと2011年。
宮城に住んでいる私の両親を、妻の実家のある滋賀県に連れ出したとき、両親は震災以来の安堵感に浸ることができたと言っていました。
被災地にいると「自分が無事かそうではないか」ということだけではなく、常に被災した方々のことを考え続け、心が休まるときがないと、その時にそう洩らしたことを思い出しました。
きっと味岡さんご一家もそのような状態から、ずっと抜け出せずにいるのだと思い、胸が痛くなりました。