自律と自立を育むシンガポールの学習塾
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連載企画「私の学習歴」第1回

KOMABAでは今、様々な日本の学校の先生方にお越しいただき、幸いなことにたくさんの貴重なお話を伺う機会を頂いています。

その中で、5月20日(土)には、宝仙学園中学校・高等学校の富士校長先生に教室にお越しいただき、「2020年のグローバル人材の育て方」というテーマで教育講演会を行っていただきました。
シンガポールという情報の限られた環境で、直接日本の教育現場にいらっしゃる先生からお話を伺うことは、参加していた中学生たちにとって非常に貴重な機会になったと思います。

特に「学習歴」についてのお話は大変印象に残りました。
「学歴」ではなく「学“習”歴」。
よく耳にするこの「学歴」とは一体何が異なるのでしょうか?
講演会の中では、「成長体験の履歴書」とお話しいただきました。
つまり「学習歴」を振り返ることは、自分が今まで歩んできた過程を主体的に肯定してあげることではないかと思います。
そして、そこで得た小さな自信や学んだことを糧として、次の学びへと羽ばたいていけるのではないでしょうか。
ぜひKOMABAの生徒たちにもそうした「学習歴」を自分で振り返ることができるようになってほしいと願っています。

そこで、KOMABAの講師陣でも実際に自分たちの「学習歴」を書いてみることにしました!
今日から連載で「私の学習歴」について更新してまいります。
初回の担当は、川口です。

 


 

 ◆◆◆私の学習歴~カンボジアから学んだこと~◆◆◆

 私はカンボジアが大好きです。

初めてカンボジアと出会った20歳のときから毎年欠かさず訪れています。
私は当時、大学の夏休みを目一杯使って、シェムリアップの近くのバコン村にある小さな孤児院で日本語を教えるボランティアをしていました。
若かりし頃の私は、「よしボランティアをするぞ!」と当初それはそれは意気込んでいたのですが、実際しばらく経ってみると、「あ、自分がすることは何にもないな」ということに気づきました。

もちろん、ノートや鉛筆を持っていない子もいます。
服や靴もボロボロです。
日本での給食のように栄養バランス満点のご飯は出ません。
孤児院の壁は薄い板一枚だし、窓にはガラスも入っていませんでした。
確かに経済的にまだまだ貧しいこの国では、本当に助けを必要としている人がたくさんいるのも事実です。

でも、私の周りの村の子どもたちはみんな毎日楽しそうだったのです!

孤児院ではカンボジア人の先生による英語の授業も毎日行われていましたが、どの子も嬉しそうに教室に通ってきていました。
勉強するのが楽しくて仕方がないといった明るい表情の子どもたちは、私が想像していた「カンボジアのかわいそうな子どもたち」というイメージを見事に粉砕してくれたのです。

当初は、傲慢にも教えるつもりで現地に赴きましたが、実際には子どもたちや村の人に教えられたり助けられたりすることの方が多い毎日でした。

カンボジアで学んだことがたくさんあります。
自分だけの「ものさし」がいかに偏ったものであるかということ。
実際に自分の目や手、そして肌で感じたものがいかに貴重なものであるかということ。
そして、この経験を通して、私は「豊かさ」の一つの形をカンボジアから教えてもらいました。
(この経験を少しでも還元したくて、日本の中学生とカンボジアの子どもたちのビデオレター交流プロジェクトを始めることになるのですが、その話は長くなるのでまたの機会に)

もしも人生にターニングポイントがあるとしたら、カンボジアとの出会いは間違いなくその一つです。

この経験を糧にしながら、今周りにいる子どもたちと一緒にもっともっと成長していきたいと思います。

以上が「私の学習歴」です!

 

川口