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総合学習「貿易ゲーム ~グローバル経済を考える~」

こんにちは。
川口です。

2週にわたって、後期第1回目となる中学生の総合学習を実施しました。
今回のテーマは「貿易ゲーム」!

有名なワークショップの一つですので、もしかしたら耳にしたことのある方もいらっしゃるかもしれません。
「貿易ゲーム」は、「貿易」を疑似体験することによって、資源の不平等な配分について考えてもらう参加型ワークショップです。

授業では、生徒たちそして、KOMABA講師数名)に、それぞれ「A先進国」「B新興国」「C開発途上国」をモデルにしたグループに分かれてもらい、規格に合った製品をつくることで、富を築いてもらいました。

各グループに与えられる道具(技術)や資源(画用紙)は様々です。

例えば……
道具はたくさんもっているけれど、画用紙はほとんど無いA国。
画用紙は余るほどもっていながらも、それを加工する道具が不足しているC国。
C国よりは道具をもっているし、A国より資源をもっているB国。


果たしてどのチームが一番有利だと思いますか?

 

実は、この「貿易ゲーム」を実施したのは初めてではないのですが、こちらが何も言わなくとも結果的に同じような現象が発生するのが非常におもしろいところです。

道具が無いために途方に暮れ、結局不利な交渉テーブルにつかされるC国。
最初は余裕そうにしていながらも、画用紙が足りないことに気づき、他国と交渉を始めるA国。
少しでも生産価値のある製品を生み出そうと、道具の入手に努めるB国。

結論として、資金と道具をたくさん持っていた「A国(先進国)」がほぼ毎回勝利をおさめます。

つまり、どのグループに配属されるかによって、ある程度結果が見えている、ということですね。
(今回は、数学科の講師陣が本気を出したため、一部で番狂わせもありましたが……)
もちろん、ゲームとして成立させるために諸々を簡略化していますので、世界の実情を完全に再現しているとは言い難いのですが、それでも本当によくできたゲームだと思います。

 

みなさん一生懸命お金を稼いでくれましたが、「貿易ゲーム」の目的は、勝利することではありません。

同じルールの下で進行しても、初期条件が異なると、経済格差がどんどん拡大していく仕組みを体感してもらうことにあります。
その気づきをもとに、「では、世界をもっとよくするにはどうしたらよいか?」を考えてもらえたら何よりです。

生徒の皆さん。
ぜひ時には、自分の身の回りだけでなく、大きな視点で広い世界について考えてみてください。
シンガポールで生活している皆さんの周りには、たくさんのヒントが隠れているはずですよ!

 

川口