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人生で心に残った本|「17歳のポケット」山田かまち詩集

こんにちは、ハロウィンなのでタツノオトシゴのかぶりものを身につけながら授業をしている石川です。

川口先生が勝手に作った「人生で心に残った本」シリーズ。

乗ってやろうじゃねぇかー!

高校時代。

勉強ができない、部活(サッカー)でも試合に出れない、彼女ができない。

なんて意味がなくつまらない高校生活なんだろう。

毎日そんなことばかり考えて不登校にもなっていたある日、本屋さんで見つけたのがこの本でした。

当時16歳。

17歳の自分はいったいどうなるのか、こんなつまらない時間を繰り返しているのだろうか。

半ば自虐的な思いを傍らにしながら棚から引っ張り出して手に取ってみると・・・

・17歳でエレキギターで感電死

・詩と絵画の天才

BOØWYの氷室京介と同級生でバンド仲間

・ビートルズやロックへの熱狂的な思い(私も同じ)

本からあふれ出てくるキーワードの全てに、一瞬で魂を吸い寄せられました。

「運命の本と巡り会えた」とはこのこと。

その日から少なくとも高校卒業するまで、おそらく大袈裟ではなくかまちの詩を読まなかった日は一日もなかったと思います。

朝起きて学校へ行く前に一つ。

帰ってから寝る前に一つ。

何度も何度も繰り返し詩を読み返し、言葉の意味を自分に置き換えて考え続けました。

 

私が生まれた年に死んでしまった山田かまち。

かまちは書き続けた裸の言葉で、

誰もが一度は悩むようなことに愚直なまでに真正面から「なぜ」と向き合います。

口で何を言おうと
聞いてくれる者なんていやしない。
どんなに心がきれいぶったって
世の中は軽くはねとばす。
すべては力さ。
金だ
学歴だ
いやだ いやだ
自由を求めたって
それは無だだ
美しいものに感動してみたって
それは何の役にも立たない。

「10分でこの問題を」より

 

17年前に17歳でこの世を去った山田かまちは17歳の私にとってまるで親友のようになっていました。

悩みを打ち明けたり、一緒に孤独になったり、勇気づけられたり・・・

激しく美しく生きろ。
みせかけや、
その時のいくじなしなみじめさは、
軽く、安いものだ。
激しい美しさ、
真の叫びこそが美しい。
くだらん連中に妥協するな。
おまえにはおまえがある。
人のことは考えず、
自分の生き方を貫け。
輝く激しさだけを信じろ。
今を信じろ。
自分を信じろ。
ただ、その燃える、一本の生命を信じろ。
「生きる」より

 

激しく生きなければ、信じたことをやり続けなければ。

三流大学にギリギリで合格した私は、そこから音楽の道にどっぷりつかり、毎日大声で笑い、大声で泣きながら、振り返ると最高の時間を過ごしていました。

(ちなみに私の卒論は児童文学としての山田かまち)

 

良い本、でしたら数えきれないほど読んできましたが「人生をかえた本」となれば私にとって山田かまちの詩集となります。

 

石川

「青い自画像」山田かまち