佐嶋です。
海外在住者の悩みのひとつが「読書環境」ではないでしょうか。子どもへの読書習慣の定着はもちろんですが、大人でも読書の機会が限られてしまいます。私も海外で暮らすようになってから読書量が大きく減ってしまいました。シンガポールは、少し割高だとはいえ、某日系書店があるのが救いです。
ふらっと本屋に立ち寄って、なんとなく目についた本を手に取ってみる。というのは休日の楽しみ方の一つだったのですが、それすら最近やっていないのは反省です。気になる本はたくさんあるのですが、Youtubeの書評動画やビブリオバトルを見て満足して終わっているものが多々あります。逆にまったく興味のなかったジャンルの本を見つけるきっかけになることもあります。いずれにせよ、良い本と出合うには、もっとたくさん読めないといけないなと常々思っています。
今回は、皆さんの「新しい本との出会い」のきっかけになるように、私のおススメの本、3選をご紹介です!
◆「世にも美しい数学入門」(藤原正彦/小川洋子)
私は高2の冬にこの本を読んで、大学の専攻を数学にすることを決めました。「博士の愛した数式」の執筆裏話と、数学という教科がいかに情緒的かといことを対談形式で綴られているので、数学が苦手な方でも気軽に読めます。(数式があるわけではないので小学校高学年くらいでも読めます)
数学って面白んだぜ、みんな!!
◆「GOTH 夜の章/僕の章」(乙一)
「夜の章」「僕の章」と2冊に分かれているのですが、必ず夜→僕の順番で読みましょう。絶対です。
いつもこの本を他人に勧めたいと思うのですが、難しいのはこの本の面白さを語るとネタバレになってしまうことです。なのでこれ以上語れません。私はこの本がきっかけでミステリ小説というものにハマっていきました。
◆「口紅に残像を」(筒井康隆)
世界から言葉が消えていく、というSF小説です。これだけなら、ありふれたSFという感じですが、この本が面白いのは、物語の中で消えた文字はそれ以降文章の中に出てきません。つまり物語上「あ」が消えたら、活字上も「あ」を含む言葉が一切出てこなくなるという、実験的な小説です。それでいて文章は不自然にならないように書かれているので、作者の語彙力の深さに驚きます。筒井康隆は「時をかける少女」の作者といえば、知っている人も多いでしょうか。筒井文学は、重厚なものからライトノベルまで、いろいろあるのでおススメです。
皆さんの好きな本も是非教えてください!!!
佐嶋