出発して7日目になりました。
おじさんは疲労が溜まっています…。
「ミヤザキケンスケさんが魂込めて描いている絵に、おまえは色をペタペタとのせているだけじゃねーか」という声が聞こえて来そうです。
しかし、長時間の集中が求められる作業であることはもちろんのこと、工事現場用の足場の上や脚立の上でバランスをとりながら動くことは…普段全く使わない筋肉を総動員していることとなり、50が近づいて来ている私にはキツいのです。
そして他のメンバーにも同じ雰囲気が出ていまして、特に朝起きた時のテンションは明らかに来て数日と異なるものになっています。
そんな時どうするか!?話をしています。
みんながそれぞれの絵を壁に向かって描きながら、それぞれの学生時代や、今熱中していることや悩んでいることや、これからのことや、脈絡なく「…そういえばさぁ」っていう感じでずっと話をします。
ミヤザキケンスケ曰く、これがOver the Wallの醍醐味だそうです。
なんでもかんでも最適化とスピード感が重要な世の中にあって、これほどダラダラと無駄にも思える話をすることが、逆に新鮮な時間となります。
話を重ねていくとだんだんと疲れを忘れ、楽しくなってきて、笑顔で作業を続けることができます。
昨年のケニアでの参加の時にも感じましたが、Over the Wallの活動は絵を描くという華やかなシーンと同じくらい、いやそれ以上に地味な作業が多くあります。
それは今回であればこのパラオに行き着くまでの道程も全く同じです。だからこそ、壁画を描き上げた時の喜びはいっそう大きいのですね。
受験とかもきっと全く同じで、その時出された結果以上に、そこまでにどれくらい地味な取り組みを「少し先の自分のために!」と続けることで得られるものがあるのだと思います。