「みなさんの生年月日をおしえてください」
そんな質問をしたら、ここシンガポールで生活する子どもたちは何と答えるでしょうか?
1:2×××年〇月△日
2:平成××年〇月△日
KOMABAの子どもたちは全員が”1”の西暦で答えました。
日本に住んでいたらどうでしょう。
学校では平成表記を用いますから、もしかしたら平成で答える子どもの方が多いかもしれません。
さて、その平成がいよいよ来年、2019年4月30日の退位を経て、5月1日に改められることは周知のとおりです。。
と・こ・ろ・が、予想はしていましたが、多くの子どもたちが来年の日本の大きな時代の節目のことを知らない様子でした。
私が小学6年生だった1月7日の朝のことは今も覚えています。
重苦しく緊迫した空気がテレビ画面からは流れ続け、日本史上最も長く続いた元号「昭和」が終わりを告げました。
「何だかよく分からないが、とにかくたいへんなことが起こった」という思いでしかなかった当時。
それから続く30年の平成の世。
そして来年始まる「新しい時代」を歩む子どもたちが将来、「今」を振り返ったら…
何を感じているでしょう。
時代はどんな様相を呈しているでしょう…。
と、そんな感慨を共有するには子どもたちはまだまだ若すぎて、暑苦しい先生のただの戯言になってしまいますから、授業では子どもたちが興味を持ってくれそうな2つのテーマを取り上げました。
一つ目は、古事記・日本書紀に描かれ、そこから125代を数える日本の天皇とは?
もちろんこれは教育上、慎重に扱わなければテーマです。
特に初代・神武天皇のことに、仮に政治家が言及しようものならたちまち議論を呼び込んでしまいます。
ただそれでも、古事記・日本書紀の読み物としての面白さは子どもたちにも伝えることができますし、少なくとも奈良時代という大昔にそれが完成され、今の世にも伝えらているという世界史の中でも奇跡のような事実は、私は日本人として誇りに思ってほしいと願っています。
実際、KOMABAの講師たちが様々な神々扮し、物語を進めていくと子どもたちは面白がったり、疑問をいだいたり、興味を深めていってくれました。
特に、日本で生活していれば必ず耳にしたり、訪れたりすることもあるかもしれない、アマテラスオオミカミと伊勢神宮やオオクニヌシと出雲大社などについては、今はよく分からなくても、将来どこかで興味を持った時に「あぁ、そういえば小学校の時になんだか習ったぞ!」と一歩踏み込んで調べてみて「へぇー」と思ってくれたらと思います。
そしてもう一つのテーマは、新しい元号を予想してほしいということです。
簡単に元号として定められるための条件を確認したうえで、子どもたちがどんな願いを込めて元号、漢字を選ぶか考えてもらいました。
真剣に考えて挙げてくれた元号案の中には「なるほど!」と感心させられる作も多く、本当に当たるのではないかと思わず期待してしまいました。
最新の報道によると、当初2018年内の発表を予定していた新元号は、改元の1か月前、つまり来年の3月末になるということです。
海外に出たからこそ問われ続ける「日本人とは?」というテーマ。
過去の日本の歴史の原点を学び、すぐ先の未来に思いを馳せる、という学習がその一助になってくれればと願っています。
石川