こんにちは!川口です。
今回もテーマは「読書の秋」
そもそも、なぜ読書の「秋」なのでしょうか? 別に季節にこだわらなくとも、いつだって読書は楽しめるのでは?と思う人もいるかもしれませんね。
そこで!気になったので、ちょっと由来を調べてみました。
時はだいぶ遡って、古代中国。
韓愈(かんゆ)という詩人がこんな漢詩を残しています。
風流ですねー! 秋の夜長とはよく言ったもので、ゆったりと読書を味わうにはぴったりの季節。
一方で、真夏の白昼に汗をかきながら本を読んだり、凍えそうな寒さの中かじかんだ手で頁をめくったりするのは苦行に近いものがあるかもしれません……笑。現代のように冷房も暖房も無い時代には、気候がかなり人々の生活スタイルに影響していたことでしょう。
そして、この漢詩を引用した日本の文豪がいました。
それが夏目漱石です(昔の千円札の人ですね!)。
『三四郎』の中で
と綴っています。(そんな場面あったかなぁ、と思わず読み直してしまいました) この小説がきっかけとなり、日本に「読書の秋」というイメージが浸透していったようです。
なるほど。 思いの外、「読書の秋」は昔から人々に受け継がれてきた慣習だったのですね!
……え?常夏のシンガポールには関係がない??
いえいえ! 細かいことは気にせず、ここはぜひ「読書の秋」に便乗してしまいましょう!どうしてもシンガポールで秋の気分が味わいたければ、クーラーの効いた部屋で「最近涼しくなったなぁ」と独り言を呟いて雰囲気を演出してください笑。
子どものころ、そして大人になっても、読書を通してたくさんの大切なことを学びました。本を通してだからこそ、理解できたこと・共感できたこと・発見できたことがあったように思います。身近な人に指摘されると「えー」と思うようなことでも、本を読むと「はい、おっしゃる通りでございます」とすんなり反省できることだってありました。
思うに、読書を通して擬似体験を積み重ねていくうちに、自分の経験値が上がって、客観的な視点が持てるようになったからかもしれません。自分の世界観が広がった、と言い換えることもできます。これはきっと本でなければ得られなかった経験です。
国語科として、ということだけでなく、一人の大人として、子どもたちには素敵な本にたくさん出会ってほしいと願っています。心に響く一冊に出会えたのなら、それは貴重な人生の財産です。
ぜひそんな一冊に出会うためにも、まずは色んな本に触れてもらえたら嬉しいです。だって、そう簡単に「運命の出会い」はありませんからね!
ですから、シンガポールに季節なんて関係ない!と言わず、この機会にぜひ「読書の秋」を堪能してください。
次回は勝手に「人生で心に残った本」シリーズをご紹介していきます!乞うご期待?!
川口