10月21日(土)、札幌日大と大妻中野の入試を皮切りに、2024年度入試が始まりました。
例年この時期になると必ず思い出し、それをその年の受験生に伝えるのが教え子の「Iちゃん」のことです。
Iちゃんは事前の模試や過去問題の結果から、第1志望のシンガポールにある高校は「決して届かないわけではないけれど、安全圏でもない」が私の見立てでした。
それを自覚してか、Iちゃんは夏期講習会明けからは特に学習に打ち込み、毎日毎日友だちと一緒に授業後も居残り学習を続け、22時、23時という夜遅くなってお父さんがタングリンショッピングセンターに迎えに来る…そんな日々を送っていました。
(緊張しなければいいな)
(凡ミスをしなければいいな)
(あせって時間配分を間違わなければいいな)
そんな思いが試験当日、ずっと私の頭から離れずにぐるぐるしていた午後、Iちゃんが入試を終えて塾にやってきました。
「…Iちゃん、どうだった??」
するとIちゃんは満面の笑みで元気いっぱいに、
「力は出しました!これでダメだったら仕方ないな、と思います!」
私はこの時のIちゃんの笑顔が今も忘れずに脳裏に焼き付いています。
このような表情で受験生が入試を終えられたならば、たとえ合格であろうが不合格であろうが、受験を通してその子は立派に成長し、次のステップを踏み出せる。
そう強く強く私に教えてくれたのがIちゃんでした。
翌週、Iちゃんは無事その第1志望のシンガポールの高校に合格しました。
Iちゃんに初めて教えたのが彼女が小学生のとき。
私はありがたいことに、彼女を小・中・高と長年にわたって指導する機会をいただき、本当に忘れられない教え子の一人となりました。
そのIちゃんが、10月21日にシンガポールで結婚式をあげました。
とっても素敵な、男らしい、心豊かな、お相手のM君。
実は彼も、高校入試の際に指導した元・塾生です。
挙式の後「石川先生のおかげで結婚できました!」と握手を求めてくるM君。
「・・・いやいやそんなことは、ん?そうか、あの時、どちらかが高校に受かっていなかったら二人は出会ってないわけだから、そうか、俺のおかげだな!!」
そう言ってガッチリおめでとうの握手をしました。
現在、ひーひー言っている受験生の皆さん。
受験を乗り越えると、このようなこともあるようですよ!(極稀に)
Iちゃん、M君。
最高の二人の結婚を心から祝福します。
晴れわたった空の下、光で満ちあふれたラッフルズホテルの中庭。
IちゃんとM君が同じ高校に合格したあの日から10年目で訪れた二人の門出。
Iちゃんの笑顔は10年前のあの笑顔よりも、さらに美しく輝いていました。(ちなみに小さいころから、普通にしていても笑っているように見える顔立ちでもある笑。)
一生忘れない日です。
本当におめでとう!!
石川