こんにちは北山です。
2020年7月4日、熊本県を中心に発生した記録的な豪雨災害は未曾有の被害を現地にもたらしました。
私たちの塾では翌年にチャリーティ企画を行い、チョンマゲ隊のツノダヒロカズさん(通称ツンさん)に被災地の様子をお話いただきました。
私は今回の春休みを利用し、特に被害の大きかったとされる熊本県球磨郡球磨村を訪れました。
澄み切った球磨川や壮大な棚田、山桜などののどかな風景が広がる中、災害の爪痕がまだはっきりと残っていました。
私は「さんがうら」という地域の方々が営まれる場所に泊まりました。かつては地元の小学校だったようですが、現在は宿泊施設として地元の方々によって運営されています。
農林体験や自然体験、キャンプなども楽しめるこちらの施設は、災害時には住民の避難場所としても活用されているそうです。
皆さんとても優しい方々で、温かく迎え入れていただきました。
スタッフの方々はその時の様子を私に語ってくれました。
災害時に消防団として老人ホームで救助活動されていたときに何を想ったか。
多くの橋が崩壊し分断された地域で、救助の見込みが薄い中避難場所を管理していた時に何を考えていたか。
ネットやテレビなどのメディアからではない現地の声は、私にとって受け止め切れないほど重みがありました。
次の日、「さんがうら」施設長のである小川さんの軽トラに乗せていただき、球磨村・神瀬地区に行きました。神瀬は特に土石流被害が大きかった地域です。
ある集落では土石流によって住宅の一階が天井近くまで埋まった程だと言われています。
またチョンマゲ隊長のツンさんが精力的に復興活動をされている場でもあり、前回のチャリティー企画ではこの神瀬の写真や動画が多く使われていました。
神瀬地区まで送っていただいた後、小川さんはある知り合いの方と連絡を取ってくださり、私は幸運にもまた貴重な話をお伺いすることができました。
その方は岩崎さんという神瀬のお寺で住職をされている方で、なんとツンさんと親交の深い方でもありました。(本当にびっくりしました。)
実は私の訪れた丁度に一週間前に、こちらのお寺の広場でツンさんたちがお花見をされていたそうです。。。
突然の訪問にも関わらず見ず知らずの私を快く受け入れていただき、当時の様子をお伝えいただきました。
岩崎さんのお寺から見えるこの風景は災害時は完全に水没し、保育園のプールをボート代わりにして救助活動を行われていました。
当時のことを振り返ってお話いただいた中で、特に印象に残っている言葉あります。
「災害時にはスーパーマンも出木杉君もいなかった。いる人だけで、あるものだけで生き延びていかなければならなかった。災害時には子供も大人もみんな役割がある。」
岩崎さんのこの言葉には活字では表せない程の想いを感じました。
球磨村の方々に巡り会えた自分の役割は何だろうか。
このままシンガポールに帰っていいのだろうか。
帰りの道中そんなことを自問自答していると、ふとツンさんのという言葉を思い出しました。
誰かの関心に繋がることは「伝える支援」「知る支援」になる
私たちが普段生活しているシンガポールは幸運にも自然災害が少ない場所です。
だからこそ、いずれ日本に戻る子供たちには知ってほしいことが沢山あります。
今回の訪問だけでは被災地の様子を、自分自身十分に理解できたとは言えませんが、地域の方々の想いや熱量を子供たちに伝えることは私の役割だと痛感しました。
この経験は一人でも多くの子供たちに還元したいと考えています。
そして大きくなったときに、今回の話が成長の糧となっていればこの上ない幸せだと思います。
球磨村の皆さんどうもありがとうございました!
次回はぜひツンさんとご一緒に伺えればと思います!
北山