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Over the Wallの活動参加に対する思い②

コスマス君は、ジンバブエで教えた多くの忘れがたい子どもたちの中の一人です。

私が初めて出会った当時のコスマス君は15歳の小学3年生。中学3年生ではなく、小学3年生。

生まれながらにして右半身に障がいがあり、骨の成長の異常のためにほとんど骨と皮で、関節もあらぬ方向に曲がっています。

自由も効かないため、いつもぴょんぴょんと片足だけで移動し、片手だけで学習を含む全ての生活をこなしていました。

 

コスマス君は6歳を過ぎても小学校に通ったことがないまま暮らしていたそうです。

そしてコスマス君が13歳のときに両親とも病気で亡くなってしまいます。

コスマス君は年の離れたお兄さんのところに引き取られました。

そのお兄さんがいる村が、私が生活していたチャカリ村でした。

 

そこで、以前このブログで書いたディック先生との出会いがあり、コスマス君は小学校1年生から通うことになります。

https://www.cradle.asia/2021/06/14/mrdick/

障がいをかかえ、厳しい環境にさらされてきたコスマス君。

とても頭の良い子でした。

誰よりも学習に打ち込み、学習ができることを喜び、私の授業にも懸命に取り組むだけではなく、学習の苦手なクラスメイトのサポート役をかって出てくれることもしばしばでした。

写真は、そんな彼に車いすをプレゼントしたときのものです。

舗装された道などない村では、やはり長持ちはしませんでしたが……お日様のような笑顔で喜びあったコスマス君との時間は決して忘れることはありません。

 

コスマス君はその後、私の立ち上げた学費支援プログラムの一人として中学校に進学しました。

(私のいた村の小学校では、当時小学生が中学校通う割合は10%程度でした)

それから20年経った今、彼は……南部の州の役場で立派に働いているのだそうです!

今、ジンバブエに行けたら間違いなく再会したい教え子の一人です。

 

障がいをかかえた子どもたちの、ご家庭の置かれた社会はジンバブエもシンガポールの日本も様々で、一概に言える何かなどありません。

ただ、ジンバブエのコスマス君を思い出すたびに、一個人ができることは限られてていても「何かできる」と思うことがあるのであれば、その時の精一杯で取り組み「笑顔」を共有したい。

私のその思いを育ててくれたのは、間違いなくコスマス君との出会いのおかげです。

 

さて、今回私が参加する「Over the Wall」のケニアでの活動は、日本人医師・公文和子医師が創設・運営する障がい児の療育施設「シロアムの園」での壁画制作です。

 

「シロアムの園」はケニア人の様々な障がいを持つ子どもたちを受け入れている園です。

公文先生の著書からは多くの葛藤とともに、子どもたちへの深い愛情があふれ出てきます。

私自身はわずか1週間ほどの滞在となりますが、子どもたちの様子や公文先生や園の先生方の思いを少しでも感じとりたいです。

そして「何かできる」という思いにつなげたい。

同時にシンガポールとジャカルタの教室に通ってくれる子どもたちに伝え、聞いてくれた子どもたちの未来への小さなきっかけや思いにつながってくれれば…

その先に「笑顔」を共有できる機会が訪れますように…そう願います!

活動の様子は随時、塾のブログやFacebook、インスタでご報告していきます。

是非ご覧くださいね!

 

石川

 

ケニア 壁画プロジェクト
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