自律と自立を育むシンガポールの学習塾
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1円を笑うもの

こんにちは。円安が進んでいます。依藤です。

私はシンガポールに2年半前に来ましたが、日本にいた時は、財布の中に1円玉をよく貯めてしまう人でした。
つまり、財布の中は小銭だらけです。
そんな大量の小銭を見るたびに、大学の時に仲の良かった1人の後輩を思い出すものです。
まめな性格の彼は、会計をしていた時に「あれ、50円玉が2枚ある。おかしいな、、、」とぼやいていたのです。

一体どういうことなのかを聞いてみると、240円や、330円などの会計で50円玉を出せる際は必ず、50円を出すとのことでした。そうすると、2枚以上手元に残るのはありえないとのこと。
なるほどなるほど。
同様にしていくと、5円玉も1枚以下となり、1円や10円、100円も同様に枚数制限がうまれるそうです。
その時、私の手元には50円玉が5枚あり、さらに大量の一円玉を保管していたので、衝撃を受けました。
そんな小銭の扱いには苦労していた私ですが、シンガポールに来てからほとんど困っていません。

そうです。
1セントを手にする機会がないからです。
現在のドル円を考慮すると1セントは1円よりも価値がありますが、シンガポールの現金払いで1セント単位で請求されることはありません。それどころか、5セントもほとんど見ません。

端数は切り捨てされると聞いていますが、これも効率化の結果なのでしょうか。
そう考えると日本人にとっては不思議でありながら、とても便利なシステムのように感じます。
先日「1円のお賽銭は両替に1円以上のコストがかかるので辞めてください」と書かれた貼り紙についての日本のニュースを見ました。
そのような話を聞くと1円は必要なのだろうか?と言いたくなりますが、商品の値上げを1円単位ですることもよくあり、1円を笑ってはいけないという格言もあるぐらいですから、日本で5円、10円単位での会計のイメージは全くつきません。
さてそうなると、他の国についても考えてみたくなります。インドで会計をすると小さなお釣りがキャンディーだった。という話を聞いたことがあります。
これに対して、日本人がしっかりと正しいお釣りを要求すると「そんなケチなことを言うのか」と、驚き呆れた顔をされるそうです。
しかし、このお釣りを正しく請求する理由はどこにあるのでしょうか。
これは、物事の「こうあるべき」という秩序に従っているのではないでしょうか。
かくいう私も日本で仕事をしていた時は特に秩序を守る必要が多くあったように思います。
例えば領収書ついて。当然、1円でもずれがあるといけません。内容や表現も細かく見られます。領収書を正しく書いてもらうため依頼した場所に何度か訪問し、ようやく経費で精算できる、というようなこともありました。
ルールが厳格に決まっていて、小銭のお釣りの代わりにキャンディーをもらった日がもしあれば、叱られてしまいます。笑
「コンプライアンスの遵守」という言葉がよく使われていました。

お金以外では、時間の考え方もやはり異なります。皆さんも様々な経験があると思います。例えば、予約したエアコン掃除業者が時間になっても家になかなか来ない、などなど。
昨年まで私が通っていたブレイクダンスのスクールは、定刻に始まった試しがありません。そうなってくると、早めに行っても仕方がないので少し遅く到着するようにします。みんながそうすると、もっと開始が遅くなります。なかなか困った問題です。
なお、この問題、バレエのレッスンではそんなことはありえないと言われました。
なるほど。これはストリートダンスの人たちの怠慢なのかもしれません。よくよく考えれば日本でも、ストリートダンスをしている友人は待ち合わせに遅刻する人ばかりでした。
今後生徒が授業に遅刻してきた時に、そんなことを考えながら「もっと早く来ようね!!!」と注意するであろう自分が、なんだか面白くなっていたりしています。
遅刻というと、待ち合わせに遅れる友人を何分まで許せるか。という話を他の先生としたことがあります。
短い先生では10分未満でしたが、私は3時間でも許せる、という話をして、驚かれました。
待たされている間に本を読んだり問題を解いたり、場合によっては英単語帳を見たりと、常に時間を潰せる何かを荷物の中に入れているので、待ちくたびれる、という経験はここ5年ほどありません。

このような習慣は、かつて待たされるのが嫌いだったからこそ、生まれたものになります。
そして今では、待たされる時間が結構好きになっているような気もします。
そういうわけで私はまとまった空き時間を潰すのが得意なので、例えばディズニーランドの90分待ちになると、絶好の勉強のチャンスだと思い、ワクワクしながら何かしらの作業を始めます。同行者にとってはいい迷惑ですが。。。笑

シンガポールも3年目で、最近は引っ越しも経験しました。
もっともっと面白い経験をして、楽しい話がたくさんできるよう、様々なことにチャレンジしていきたいと思います。

依藤