今回のパラオでの制作を通して改めてミヤザキケンスケの凄さを感じています。
例えば子どもたちとワークショップをしていると、絵のタッチも技術もバラバラで、中には「その完成度で大丈夫なんだろうか…?」と心配になる絵もあります。
もっというと僕らサポートが描いていても「このクオリティーでいいの?ダメじゃない??」と、その楽しさの裏腹、ケンちゃんに申し訳なく思うことの方が多いです。
様々な場所で大活躍を続けるミヤザキケンスケの作品として、むしろ僕の手伝いは迷惑をかけているのでは?
ところが、それぞれ素人がやったそれらのパーツを、ケンちゃんは見事なまでに紡ぎ上げ、気がつくとそれ一つ一つに元々つながりがあったかのように、一つの世界にまとめ上げます。
1人1人の個性、多様性を、絵が全体として受け入れて、個々がそれ単体だった時よりも遥かに豊かなものに仕上げてくれるんです。
翻って今、子どもたちを取り巻く世界はどうなっているでしょう。
他を批判することで自分を守り、
価値観の合う集団にのみ属することを自分らしさとする。
世界中と繋がることができる時代にありながら、むしろ自分の世界観を狭くしていっているような気がする今の社会にあって、ミヤザキケンスケの壁画はその真逆を突き進んでいます。
個を全体として、より豊かにする壁画。
個を全体として、より豊かにする社会。
ミヤザキケンスケの作品が世界中で受け入れられ、「スーパーハッピー」を届けることができている理由が、今回のサポートで以前よりもずっと理解できた気がします。
KOMABAの子どもたちにも是非、このOver The Wallの活動に参加させたいなぁ…
ケンちゃん、シンガポールやジャカルタはどうですか??
石川