日々邂逅07
ーKOMABAを立ち上げたきっかけ 最終回—
シンガポールでのミヤザキケンスケとの支援活動は多くの方々の支えと協力によって目標を達成することができました。
まずは、活動全般を一緒するために結成された「結プロジェクト」のみんな(あの時は本当にありがとう!)。
次に、シンガポールでの活動拠点を全面的にサポートしていただいたStudio Miuの方々。
そして、ワークショップ開催のために多くの場所、特にシンガポー内の教育機関の方々のお世話になりました。
そのうちの一つにEis International Pre-schoolという幼稚園がありました。
園長の峯村先生という方は面識はありませんでしたが、雑誌のコラムなどでよく教育を論じており、以前からひじょうに共感しながら読んでいました。
そこで、当時2歳の自分の息子の入園相談にかこつけて、私たちの被災地支援活動に協力してもらえないか、という相談に行ったのです。
初めてお会いした峯村園長先生は、幼稚園の入園説明時間の2倍を費やした私の被災地支援の話をじっくり聞いてくださいました。
それだけでは足りず、わずか数日後に別な機会を設けていただき、更に話を聞き、ワークショップの開催だけでなく多方面でのバックアップを約束してくださいました。
支援活動の打ち合わせの傍ら、峯村園長先生とは様々な教育論、特にシンガポールで育つ子どもたちの現状や課題について多くの意見交換をする機会があり、その度にお互い話に熱が入りました。
そして・・・激動の2011年も師走が近づいてきたころ、シンガポールで新しい塾を立ち上げないか?という話になっていた・・・
これがKOMABAのはじまりです。
シンガポール在住の皆様はご存じの通り、他の東南アジア、いえ世界的に見渡してもシンガポールの塾環境の充実さは群を抜いております。
そしてどの塾も、子どもたちのために日々指導に力を注いでいます。
そんな中、新規の塾をイチから立ち上げるということは、ビジネスの面では相当なリスクがあることは明白でした。
ただ、震災を通して考えたこと、芽生えた思い、子どもたちに知ってほしいこと・・・
それらを伝えることができるなら、数名で構わないから教室を開こう、そう決心しました。
学習塾KOMABAのスローガンは「自律と自立を育む学習塾」です。
それは、前回のブログで書いた「三助」の中で最初に必要となる「自助」の考え方を由来としています。
子どもたちにはまず「自助」するために、学習を通してジリツする力を育ててほしい。
(そのための負荷はガンガンかけていきます!)
ただそれで終わりではなく、子どもたちが大人になって社会に出たときに「共助」と「公助」。
すなわち思いやりの心をもって他者と協働し、社会に貢献できるような大人になってほしい。
その思いは開校から8年目を迎えた今、むしろ強まる一方です。
そしてそれに賛同して協働してくれる素晴らしい講師陣の力で、当初の私の様子をはるかに超える子どもたちに指導する機会を頂いております。
邂逅。
震災を通して偶然出会った数々の人との巡り合わせ。
その方々全てに、私は今までもこれからも感謝し続けます。
《KOMABAを立ち上げたきっかけ編 終わり》