自律と自立を育むシンガポールの学習塾
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3.11 子どもたちに伝えたいこと

10年です。

決して何かの区切りとは考えていませんし、被災地の方々にとってはこれまでもこれからも背負っている計り知れない思いがあるのだと思います。

そうではありますが、やはりこの時期になると当時の思いが浮かんでは消え浮かんでは消え、ずっと頭に張り付いています。

そんな中でここ数年、強く噛み締めている思いがあります。

それは、不謹慎を承知で綴りますが、震災がなかったら出会わなかった、つながらなかった人がなんと多いことか。

そしてその人たちにこの10年間、いかに支えられてきたか、という思いです。

例えば以前のブログで綴った、KOMABA設立の大きなきっかけ作ってくれた、心の友であるアーティストのミヤザキケンスケ。

https://www.cradle.asia/2019/06/06/kaiko02/

そして、今週土曜日、3月13日に一緒に話をしていただき、映画も公開しってくれるツノダさん(通称ツンさん)。

https://www.cradle.asia/2021/03/02/komaba_sogo_gakusyu_special/

(こちらは現時点で100名様以上からのお申込を頂いております。まだ申し込み受付中ですので、是非ご参加ください!)

 

本当に私は人に恵まれた人生を歩んでおり、特に震災以降、多くの人によって日々を過ごせています。

その最たるは、やはり毎日顔を合わせる子どもたちです。

 

昨日(3月10日)と今日で一つずつ、涙がじわっとあふれる嬉しいことがありました。

まず昨日の中学生の国語の授業でのことです。

KOMABAでは毎週、ニュースの要約作文を授業の導入で実施しているのですが、昨日は2018年にNHKで放送されたKOMABAの総合授業の様子を題材にしました。(詳細はこちら)

https://www.cradle.asia/2018/02/27/nhk-bousai1/

当時小学生としてテレビに映った生徒たちも今や高校受験を控える身。

果たしてあの時、どんなことを感じていたのか。

そしてそれ以降に入塾して初めて当時の放送を視聴した生徒たちは何を感じてくれるのか。

少し怖い思いもしながら授業を進めたのですがどの生徒も皆真剣に見入ってくれ、それぞれの視点から大切だと思う言葉を選び、要約してくれました。

 

自分が子どもたちに伝えたい思い。

それを必死に読み取ろうとしてくれる子どもたち。

自分で仕掛けた授業題材でありながら・・・感慨深いものがありました。

 

私がその放送で伝えたかったことは防災と減災。

それが役立つ社会になって欲しくはないですが、もしものことがあったとき、どうか命を守る小さなきっかけになってくれればこんなに嬉しいことはありません。

 

もう一つのエピソード。

小学校の国語の宿題では必ずあるテーマを与えてそれを作文してきてもらうのですが、先週の私のクラスでは「震災当時、皆さんの家族がどこにいてどんな思いだったかを家族で話して作文してきてください」という課題を出しました。

当時赤ちゃんだったその学年の子どもたちは当然記憶がないですから、家族に聞いてきて、災害や防災について考えるきっかけになれば、と思ったからです。

 

子どもたち、本当に真剣に書いてきてくれました。

中には当時のたいへんな状況を赤裸々に綴ってくれ・・・授業中だったのですが涙があふれてきました。

そしてその中に多く書かれていたことが「家族が自分の命を守るために必死だったことに気づかされた」ということです。

 

日常では当たり前のことが非常時には多くのことが有難いことに変わります。

私たちが防災教育をこれまでもこれからも続けていく理由は、まさにそこにあります。

 

石川