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人生で心に残ったミュージシャン②|ビョーク ー在宅勤務の深夜にー

明日6月21日から、制限付きではありますが塾では対面授業が可能になります。

まずは生徒の皆さん、日々私たちのオンラインでの授業に参加をしてくれてありがとう。

画面越しに会うみんなの笑顔に、何度も何度も勇気づけられ救われました。本当にありがとう。

そして働いている皆様、これまでも(そしておそらく)これからも、長い間の在宅勤務たいへんお疲れ様です。

 

その在宅勤務。

世界中多くの人々が同じ苦難を背負っていることを重々承知で、それでもあえて脆弱な個人の思いを綴らせていただきますと・・・

昨年のサーキットブレーカー、そして今回ではっきりとわかったことがあります。

不肖石川、在宅勤務が合いません・・・

なぜかというと、ずっと働いちゃうんです。

 

朝起きてパソコンのスイッチを入れてから、夜ベッドにごろんとするその直前まで。

典型的なダメな日本人気質なのでしょう。

目の前にやることがあるとやってしまう。やらずにはいられない。

気がつくと0時を過ぎ…1時…2時…3時…

ようやく眠っても、翌朝からまた同じループ。

仕事の効率面でも健康面でも良くないと分かっているのですが、ダメですね。

 

さて、そんな身も心もヘトヘトになってきたある晩のことでした。

いつものように深夜を過ぎ、音楽でも聴こうかとYoutubeを開くと偶然、ビョークが出てきました。

 

ビョーク。特に20代の頃めちゃくちゃ聴きました。

フジロックに出演した時は観に行きました。

映画ダンサーインザダークはVHSで買いました。

 

二十歳の頃、僕に歌を教えてくれたダメ師匠が言った数少ない金言の一つに、

「歌は話すように。話は歌うように」

というのがあります。

私の中でこれを体現できている2トップが、カーペンターズのカレンとビョークです。

 

間違いなく音楽なのですが、ふと隣で話しかけられえいるような。

その言葉に耳を傾けているうちに身体が動き出すような。

 

到底この域には届くわけがないと分かっているのですが、こんなふうに歌を歌えたらなぁ…

何度もそう思いながら当時、CDやレコードを夜中に聞いていました。

 

そんなビョークの歌声が久しぶりに、深夜の在宅勤務で疲れた心に飛び込んできました。

やっぱりすごい、ビョーク。

身体に沁む音の数々。

どうやったらこんなメロディーやアレンジを考えつくんだろう。

間違いなく教育の力では無理です。

でもせめて、ビョークではなくてもいいから、自分にとって豊かなものに気づいて「いいなぁ」と思えるような感性を、育ててあげたいですね。

 

音楽は本当に人の心を支えるなぁ。

改めてしみじみ、在宅勤務の深夜2時にそう感じることができました。

さて、最後に突然ですがクイズです。

次のビョークのライブのバックミュージシャンである①②③の人は、それぞれ何の担当でしょうか!?

あぁ、やっぱりビョーク、すごい。

分かりましたか?

難しいですよね。

 

で、正解は……こちらっ!

 

 

①砂利踏みの音作り担当

「ざっ…ざっ…」って音を出すために石を踏み続けています。

しかも歌い手のビョークに終始背中を向けたまま。

いいなぁ…小石になりたい。

 

 

②トランプの切る音作り担当

「パタタタタっ…パタタタタタタッ…」という音のために、カジノのディーラーのようにひたすら曲の最中にトランプを切り続けています。

しかも歌い手であるビョークを一切見ることなく。ただひたすらトランプを切る。

いいなぁ…トランプになりたい。

 

 

③もはや何なのか分かりませんが、おそらく聴診器?医療器具?のようなものを隣の別のおじさんの背中にあてながらノイズ音を出す担当

「バチ…バチチ…チチチバチっ…」という音を、自分ではなく隣のおじさんの背中から出します。

優しく優しく、おじさんがおじさんの背中をなでなでしつづけます。

まるでステージ上にはこの2人のおじさんしかいないかのように、周囲と全く空間を異にして、優しく優しく背中をなでつづけます。

そしてついに、その優しい手は背中から後頭部へと…

じっとそのおじさんの後頭部を見つめる目線…

いいなぁ…でもこの医療器具には、なれなくていいや。

 

それにしても、あぁ、やっぱりビョークはすごい。

 

石川