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Over the Wall -ケニア- ⑥

Omer the Wall⑦

[語]イエローカード
[意味]サッカーなどで悪質な反則や非紳士的行為をした選手に警告するときに、審判が示す黄色いカード。

 

イエローカードと言えば思い出されるのがロシアW杯の初戦、コロンビア戦のことだ。香川真司のPKで先制した日本。相手にはレッドカードが出された。

「イエローとレッド間違えたんじゃね?」
「PKを与えたのだからイエローカードで止めるべきだったんじゃね?」
とは相手国のみならず日本のサッカー識者からも出た意見がだったが、少なくとも西野ジャパンがロストフの14秒まで続くあの熱い時間の起点となったカードであることは間違いない。

 

なぜこんなことを書いているかと言えば、主役のミヤザキケンスケがイエローカードを持っていないためにレッドカードを出されたからなのだ。
ケニアに行く前に活動をしたベナン。
ベナンは黄熱病汚染国であるためにイエローカード必須であるのに彼は持っておらず、出国ができなくなった。
しかしベナン大使館の方のおかげで、彼は丸一日遅れで今、ケニアに向かっている。
そして私の役割は彼を空港に迎えに行くことであった。
今、私は暇である。NHKの常連となり教科書にも載る男。
既にミヤザキを知っている方にとっては「崇高な人物」として映っている方もいることでしょう。
そんな方々から「いいね」ならぬ「よくないね:-1:」を多くいただくことを承知で、私は彼をいじることにした。

なぜなら、私は暇なのである。ミヤザキケンスケは自分のFacebookでの投稿で長い長い言い訳をした。よかったら彼と友達になって、その言い訳を読んでいただきたいところだが、一部引用してみよう。「……他のアフリカの国であれば賄賂を要求されるケースだと思いますが、ベナンの空港職員はそのようなそぶりも一切なく、毅然と対応されました。そして間違いなく悪いのは僕なので、ダメと言われればどうしようもありません。。。」まず、自分の非を認める言葉に行き着くまでが長い。長すぎる。
試しに「ベナン 入国」とググってほしい。
ページに至らずとも検索トップの最上位で出てくる大使館のところにはっきりと
「生後9か月以上の全ての渡航者に対し黄熱予防接種証明書(通称イエローカード)の提示が求められます。」
と確認できるはずだ。
彼は「ベナン」と一度もググらなかったのだろうか?謎だ。
更にとんでもない記述が目につく。
まるで「賄賂払って出国するつもりだったのによ、けっ!」とでも言っているようだ。
筆者はこれによって、今後一切NHKからの取材は来ないであろうことを確信している。
ついでに三省堂様と東京書籍様にもLessonを差し替えていただこう。実はその裏で、もう一つの大きなハプニングがあった。
今回のプロジェクトに参加する大学生・海ちゃんである。
彼女は乗り換えのムンバイでトラブルに巻き込まれた上に飛行機が3時間も遅延した。
私は今、空港で一人、彼女のお迎えのために3杯目のコーヒーをすすりながら待ち続けている。
足元には蚊がたくさんいる。
かゆい。
モピコを持ってくるべきであった。本来の予定であれば今日、リーダーであるミヤザキケンスケ、撮影担当でミヤケンのいとこのチャンハンさん、アフリカに対する情熱溢れる大学生の海ちゃんが一気に揃うはずだったのに結果、一人ずつが少しずつ集まるというドラクエのような状態になっている。
私と息子を入れると5人。
例えるなら5章で構成されるドラクエ4「導かれし者たち」か。第一章 シロアムの調整員

第二章 おてんば息子の冒険
第三章 撮影屋チャンハン
第四章 ムンバイでやらかした娘とりあえずここまでは間もなくクリアーする。
あとは勇者・ミヤケンの到着を待ち第五章をプレイするのみだ。読んでくださっている方の中には「ミヤケンさんの非常事態にドラクエネタなど不謹慎な!」と思われている方もいるかもしれない。
しかし、これも実は彼に起因している。
あれは出発前のオンラインミーティングでのことだった。
厳しい顔つきに真剣な口調で今回のプロジェクトの目的や日程を確認している最中、彼が共有した画面のウィンドウの別タブに
「ドラクエ極限攻略ベース」
という見出しが3つぐらい閉じられずに並んでいたのだ!子どもの頃に夢中になったドラクエ。
大人になってから「あの頃の感動をもう一度!」とやり直したくなる気持ちはよくわかる。
かくいう私もスマホに入っているゲームはドラクエのみで、ちゃんとⅠからⅤまで揃っている。
しかし、だ。
いつから彼は無料の攻略サイトなどという卑怯極まりない手段を使ってまでやり込むようなヘタレになったのだろうか。
皆さん!豪快な人物に見える彼はきっと、小さなメダルを一枚も見落としたくないようなちっちゃい男に違いありませんんんんっ!!!
いつかネタにしてやろうとその時本人にツッコミを入れるのを我慢していたのを、今、心から良かったと思っている。……講師ブログのみならずFacebookやインスタグラムという場に全くそぐわない長過ぎる投稿をしてしまったことをお詫びいたします。
重ねて申し上げますと、調整員・石川、待ち続ける空港であまりにも暇であったが故の愚行であります。勇者・ミヤケン、明日には来てくれ、HELP!!

石川