今回の「私の学習歴」の担当は北山です。
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柔道を通して学んだことについて、綴ります。
◆◆◆私の学習歴~柔道から学んだこと~◆◆◆
僕は運動会が嫌いでした。徒競走に出れば毎回ビリだったし、みんなでするダンスでも一人だけ振り付けどおりに踊れませんでした。サボっていたわけではありません、誰よりもやる気はあったし、必死に練習もしました。ただ運動神経というものにからっきし恵まれなかったのです。
父の影響で小学生1年生の時柔道を始めました。そのころから柔道を習っていたのは道場の中でも僕だけでした。しかし誰よりも早くから稽古をしていた僕でしたが、全然上達せず、気づけば僕よりも後に入門した同級生に次々と抜かされていきました。
「誰より前から稽古をしてきたのにみんなすぐ僕を追い抜いていく」そんなコンプレックスを抱えながらも、負けず嫌いだった僕はなんとかして勝ちたいと必死にもがきました。
しかしやる気もあって頑張るけどみんなより上手くならないという悩みは長い間解決することはなく、気づけば何の成績も収められないまま僕は高校生になっていました。
高校まで行くとそれまでよりもセンスのある選手とそうでない選手の差がはっきりと現れ始めます。もちろん僕は後者でした。同じ技術でも、数日で習得できる彼らと何ヶ月もかかる僕。それが積み重なれば差が開くのは必然でした。
「君には君にしかできないことがある。でもそれを知っているのは君だけだ」
どうしようもないと諦めかけていた時、顧問のその言葉で僕は救われました。
負けず嫌い、でもセンスが無い。そんな僕に一体何ができるんだと、その時初めて自分のこれまでを振り返り、真剣に時間をかけて分析しました。
それから僕はひたすら走り始め、とにかく筋トレをこなしました。どんなに上達が遅くても走り続ければその分だけスタミナがつき、筋トレをすればそのだけ力が強くなる。たどり着いたのはそんな当たり前のことでした。
そしてもう柔道を初めて12年目になる高校3年生の夏、ついにその頑張りが勝利を結びました。
それは柔道が僕よりも遥かに上手く、昔から勝てずにいた相手との試合でした。その試合で僕がとったのは、どんなに下手な技でも攻撃を止めずとにかく体力が持つまで相手に隙を与えずに動き続けるという戦法でした。
相手を投げて、抑え込んでというみんなが思う柔道とは違い、地味で泥臭い僕の戦い方は周りの評価は正直良くなく、中には姑息だと僕を非難する声もありました。
それでも、今まで勝てなかった相手に自分の地道で小さな努力の積み重ねが通用したという経験を僕に与えてくれたこの試合は、柔道だけでなくそれからの人生に大きな自信になっています。
勉強でもスポーツでもみんなそれぞれ得意不得意が存在しますが、自分に向いていないからできないということは絶対にありません。やれば絶対前に進みます。
ただそのやりかたは十人十色でベストな方法は自分にしか分かりません。
もし何かに行き詰ったら、是非一度自分自身を振り返って深く分析してみてください。
突破口はそこに必ずあるはずです。
以上が私の学習暦です。
北山